みなさん知っていることだと思うので、何をいまさらだと思われるかもしれませんが、そのときあらためて思ったのです。これはもうコンパクトデジタルカメラ(以降コンデジと呼称)が売れなくてもしかたがないなと・・。
iPhone5のカメラのスペックは、800万画素で、1/3.2型の裏面照射型CMOSセンサーを積んでいます。裏面照射型CMOSセンサーとは、ソニーが初めて量産に成功した、従来のCMOSセンサーより格段にノイズの少ない綺麗な画像を得られるセンサーです。
上記のスペックは非常に高く、今のコンデジと比べてもさほど遜色はありません。
ただ、ズームレンズは搭載していないので、ズームできるといってもデジタルズームであり、ズーム時の画像は光学ズームを搭載したコンデジに劣ります。
しかしスマホの画面で見る限り、さほど気になるレベルではないと思います。
私の偏見かもしれないですが、コンデジで写真を撮る層は、あくまで記録として写真を楽しんでいるのであって、作品という目線では興味を持っていないように思います。であれば尚の事、スマホの画面で楽しめればそれでいいと思うのではないでしょうか。
先ほど、センサーの話を少ししましたが、センサー(撮像素子)は、光を受け取り、それをデジタル信号に変換して画像を出力する装置です。昔のフィルムの役割に当たります。
そして上記にも書いた1/3.2型というのはそのセンサーの大きさです。当然ですが、大きいセンサーのほうが、より沢山の光を受け取ることが出来、画質が向上します。このセンサーがとても高価な部品なんですね(笑。
つまりセンサーサイズはカメラの値段に比例するといっても差し支えないと思います。
カメラで一番重要な部品はレンズですが、センサーサイズが大きくなれば、より大きなレンズが必要になり、レンズも大きく、重く、高額になります。
2000万画素!、とか光学20倍ズーム!、とかよく宣伝されていますが、これらの要素はカメラの画質を語るうえで、それほど重要ではありません。おまけみたいなものです。
カメラの画質を左右するのは、レンズと、センサーサイズです。量販店に行って、このセンサーサイズに注目してみてください。高いカメラは、ほぼ確実に大きなセンサーを搭載しています。
話が長くなりましたが、iPhone5やiPhone5sなどのスマホカメラのセンサーが、コンデジとどれくらい違うのか、みてください。
青い四角がセンサーの大きさです。
私がさっきから、いらないと言っているのは1/2.3型センサーを搭載しているコンデジです。何故か?、今主流のiPhone5sの四角の大きさとあんまり変わらないですよね(笑。
そして1/2.3型のセンサーを搭載しているコンデジが比較的安価なのは、高価な部品であるセンサーサイズをケチって小さく切り刻んでいるからです。
小さなセンサーだとこれまた高価なレンズも小さくて済みます。だから安いんです。
この辺の話は、カメラメーカーはあまり言いません。コンデジの死活問題にもかかわるデリケートな話なんですね。
事実、今安いコンデジは売れていません。キヤノンは今後、低価格帯コンデジから撤退してしまいます。
それは、先ほど言った写真をあくまで記録として楽しんでいる層が、スマホのカメラで十分だと思っているからですね。わざわざ1万以上も出費して、スマホとカメラと2台持ち歩く必要はないわけです。
そしてそれは、上記のような物理的な性能に裏打ちされた確かな感覚だと理解できます。
そうするとあらためて、コンデジは売れないな・・・。と思ってしまうわけです。
私は友人から、2万円くらいで、デジカメ探してるんだけど、なにがいいかな?と聞かれると、スマホで撮ればいいよと勧めています(笑。
ただ、3万円クラスの高級コンデジになると話は別で、まだまだスマホの写真では遠く及ばないでしょう。それは今のスマホには搭載できない、より大きなセンサー、より大きくて高性能なレンズといういい写真には欠かせない付加価値があるからですね。
多少荒っぽい理論も展開しましたが、こういう側面があるよという風に理解いただけると幸いです。
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